学習のステップと挫折しない方法を解説
まったくの未経験者や初心者がプログラミングの勉強を始めようと思っても「何から学べば良いのかわからない…」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、プログラミング学習を始めるためのステップを段階を追って解説。自分に合ったプログラミング言語の選び方や学習の途中で挫折しないためのコツについても解説します。これからプログラマーを目指す第一歩を踏み出したい方は、ぜひご覧ください。
そもそも初心者が独学でプログラミングを始められるの?

プログラミングを学び始めようと思ってはみたものの、何から始めればいいのかわからないと悩む初心者や未経験者の方も多いのではないでしょうか。
最近では、プログラミングを学べる無料の学習サイトやプロの現役エンジニアがレクチャーするYouTube動画などの教材が身近に増えたことも理由のひとつ。 そのため、小学生の子供からお年寄りまで、あらゆる年代のIT未経験者たちが手軽にプログラミング学習を始められるようになりました。
プログラミングを学ぶ目的を決める
まずは、プログラミングを学ぶ目的を決めましょう。プログラミングを習得することは目的ではなく、何かを達成するための手段でしかありません。
例えば、エンジニアになるために学習をしたい、アプリを作ってみたいなど、なんのためにプログラミングを学習するのか考えてみてください。目標を持たずにただなんとなくプログラミングの学習を始めると、挫折する可能性が高くなってしまいます。
また、目的によって学習すべき言語や学習の方向性に違いが出ることがあります。例えば、アプリを作ることが目的であれば、覚えたことを使ってアプリの開発を進めるのが良いですし、就職のために学習したいのであれば、資格取得もひとつの方法です。
目的を決めずに学習を始めると効率も悪くなり、ゴールに至るまでが遠回りな学習になってしまう可能性もあるでしょう。
どんな言語を学んで何を作りたいのかを明確にする
プログラミングを学ぶ目的が決まったら、「何を作りたいのか」や「どんな言語を学ぶか」についても検討しましょう。たとえば「Webサービスを作りたい」と思っているのであれば、HTML/CSSやJava、PHPなどの言語を選ぶと良いでしょう。
プログラミングで作れるものと主な使用言語は、以下のとおりです。
- Webプログラミング :HTML/CSS、JavaScript、Java、PHP、Ruby、MySQLなど
- Webデザイン : HTML/CSS、JavaScript、Illustrator、Photoshopなど
- スマホアプリの開発 : Java、Kotlin、Swift、Flutter、ReactNativeなど
- データ解析やAI(機械学習の基礎)の開発 : Python、R、Juliaなど
- 2D/3Dゲームの制作 : Unity(C#、JavaScript)、Unreal Engine、Mayaなど
プログラミング言語の選び方
どの言語が自分にマッチしているかを見極めるとなると悩んでしまいますよね。そんなみなさんのために、プログラミング言語の選び方について解説します。
未経験からのエンジニア転職に有利となる「プログラミング言語」とは?
Javaと、次いでPHPです。Javaは特に需要と汎用性が高く、未経験者向けの求人数も多いことが主な理由で、PHPは全世界のWeb系の70%で使用されているのがおすすめな理由です。
転職を目指す未経験者におすすめできない言語は?
反対に、RubyやPythonはあまりおすすめできません。なぜなら求人数が限られていて、更にこの言語を必要とする会社の場合、採用ハードルが高い傾向にあるからです。
またRubyを求めているのは勢いのあるWebベンチャー、Pythonを求めているのは、数学もできるAI開発集団のようなイメージなので、未経験からエンジニア転職を目指すのならJavaとPHPをマスターしておけば間違いないでしょう。
自分に合った言語の見つけ方
エンジニアとして就職したい → トレンドより市場でシェアの大きい言語を学ぶと良い(Java、PHP等)
とりあえずプログラミングを学びたい → 比較的簡単な言語から学ぶと良い(Ruby等)
趣味でHPやブログページを作ってみたい → HTML・CSS
などがおすすめ という様に「プログラミングを学んでどうなりたいか?」というゴールを明確にした上で、目的に合った言語の習得に励むのがベストな方法です。 これから転職や就職を目標にしている方は、他の候補者との差を付けるため、基本情報技術者試験やJava silverなどの資格取得もしておくと、就活でも有利に選考が進むでしょう。
プログラミングを行うためのパソコンを用意する
まずは、プログラミングをするためのパソコンを用意しましょう。
プログラミングスクールに通うことを検討している方や、勉強会やセミナーに参加する予定の方、また集中して勉強するためにコワーキングスペースの活用を考えているのであれば、ノートパソコンが便利です。
新しいパソコンを用意する場合は、次の4つの項目に留意して選ぶと良いでしょう。
CPU
プログラミング学習をスムーズに進めるなら、Core i5以上のCPUを選ぶとストレスを感じにくいでしょう。CPUはCore i3→Core i5→Core i7の順で、処理スピードが早くなります。
ただし、性能の良いCPUが搭載されているパソコンほど高価になる傾向があるため、予算とのバランスも考えて決めると良いでしょう。
ストレージ
ストレージはHDDとSSDの2種類があります。
HDDは記憶容量が大きく価格が安いといったメリットがありますが、PCの起動速度が早いだけでなく作動音も静かで、また消費電力も低いため発熱も少なく、衝撃にも強いSSDがおすすめです。
メモリ
メモリは最低でも8GB以上のものを選びましょう。
余裕があれば16GB以上をおすすめしますが、もし迷う場合には後から増設できるタイプのPCを選んでおくと、後から動作に不満を感じた時にメモリを追加することが可能です。
OS
OSはMacかWindowsのどちらかを選びましょう。
Macは、同じApple社が開発したSwiftとの相性が良いため、iOSアプリを開発したいならMacがおすすめです。また、Linuxをベースとして作られたOSであるため、慣れておくと将来業務で役立つ可能性もあります。
しかし、Windows専用のアプリとは相性が悪い点がデメリットです。
一方、Windowsのパソコンは生産販売する企業が多く量産されているため、Macと比べて低価格で入手できるメリットも。また世界でも圧倒的なシェアを誇るためOSの情報やフリーソフトが手に入りやすい点がメリットです。
当然ながら、Windowsアプリの開発にも向いていますが、iOSアプリの開発が難しい点がデメリットと言えるでしょう。
接続が安定したインターネット環境を整える
プログラミング学習のための回線は、光回線またはモバイルルーターを用意しましょう。光回線は接続が安定しやすく、高速な通信が可能です。
大容量データのやり取りに最適なだけでなく月額料金が固定で利用し放題なので、データ通信量を気にせず使いたい人や、家族とシェアして使いたい人は光回線を選びましょう。
モバイルルーターは、工事が不要で手軽に使えるのがメリット。賃宅住宅にお住まいの方や回線費用を抑えたい人、また外出先でも手軽に使いたい人にはモバイルルーターがおすすめです。
プログラミングを実行するための環境を構築する
プログラミングを行うには、各言語の実行環境やコンパイラをインストールする必要があります。とはいえ、慣れていないと環境構築に時間がかかってしまい、なかなか言語の勉強を始めることができなくなってしまうことも。
さらに自分のPCの環境とチュートリアルサイトや書籍の環境が異なると、書かれている通りにセットアップを行っても環境構築ができず、言語が実行できないケースもあります。
もし環境構築がどうしてもうまくいかない場合は、クラウドソーシングサイトなどを利用して有償でエンジニアにサポートしてもらうという方法も選択肢のひとつです。
また、クラウド上の実行環境を使うというのもひとつのやり方です。例えば「PaizaCloud」のように、最近はWebサイト上でソースコードを入力して実行できるサービスがいくつも登場しています。したがって、お試しで簡単にトライしてみたいと考えている初心者の方は、Webブラウザを使ってチャレンジしてみても良いですし、環境構築が不要な無料のプログラミング学習サイトを活用するのもおすすめです。
【何から勉強するのがベスト?】プログラミングの学び方
パソコンの準備ができたら、いよいよプログラミング学習をはじめましょう。
はじめての人はHTML&CSSを学んでみよう
はじめてプログラミングに触れる人は、HTMLとCSSを学ぶのがおすすめです。
HTMLとは、Webページを作成するための言語。HTMLでマークアップすることで、そこに書いてある文章が見出し、段落、タイトルのどれに該当するのかをコンピューターに伝えることができます。また、文字の大きさや色を変えるなどの簡単なレイアウトも可能です。
CSSは、HTMLで書かれたファイルをブラウザでどのように表示するか設定するための言語で、別名「スタイルシート」とも呼ばれます。見出しデザインやフォント、画像など、HTMLより複雑なレイアウトを作ることができ、Webページのデザインやレイアウトといった「見た目」を作るのが主な役割です。
またHTMLやCSSは、書いてすぐにブラウザ上で確認できるためビギナーの方でも挑戦しやすく、最初に習得しておくと作成したオリジナルアプリをWeb上で公開する際にも役立つでしょう。
選んだ言語の基本文法をマスターしよう
プログラミングでは、言語ごとに異なる文法や特徴があります。何をどのように書くとどういう動きをするのか、学習サイトや書籍などを読みながら実際に手を動かして学習しましょう。
また、慣れてきたらフレームワークを学んでみるのもおすすめです。フレームワークとは、アプリなどを開発する際の土台として機能させるソフトウェアのこと。言わば、システム開発を楽に行うプログラムの「ひな形」です。
アプリを開発する際には自由にプログラムを組むこともできますが、あまりにも自由すぎると特に初心者の場合はどのように進めて良いのかわからなくなってしまうことも。そんなとき、フレームワークを活用すると、あらかじめ必要な機能が備わっているので、オリジナルの要素を組み込むだけで完成するためスムーズに開発を進められるでしょう。
オリジナルのサービスを作ってみよう
ある程度学習が進んだら、Webサイトやアプリなどオリジナルのサービスを作ってみましょう。初心者の場合、最初から1人で全て作るのは難しいので、まずはサンプルアプリをコーディングし、動かしながらカスタマイズするのがおすすめです。
もし今後プログラマーとして働きたいのであれば、よくある機能をただ作るだけでなく、オリジナリティのあるサービスを提供するところまで実践できるとベターです。自分自身のサービスについてユーザー目線で客観的に考え、なおかつサービスを改善するという経験は、就職活動の際にも大きなアピールポイントとなるでしょう。
プログラミング言語一覧
プログラミング言語を一覧で知りたい!

プログラミング言語は、数百種類以上存在します。そのなかでも求人数が比較的多く、将来性があるものを中心に主要なプログラミング言語を13点ピックアップしました。
まずは、主要なプログラミング言語を一覧表でご紹介します。
| 言語 | おもな利用分野 |
| C言語 | 業務システム/組み込みシステム |
| C++ | 業務システム/組み込みシステム/ゲーム |
| C# | パソコンアプリ/ゲーム |
| Java | Webアプリ/業務システム/組み込みシステム/スマホアプリ |
| JavaScript | Webアプリ/ゲーム |
| PHP | Webアプリ |
| Ruby | Webアプリ |
| TypeScript | Webアプリ |
| Python | Webアプリ/人工知能 |
| R言語 | 人工知能 |
| Go言語 | Webアプリ |
| Swift | パソコンアプリ/スマホアプリ |
| Kotlin | スマホアプリ |
| Objective-C | パソコンアプリ/スマホアプリ |
| Visual Basic | パソコンアプリ |
| VBScript | 業務効率化 |
| BASIC | CUIプログラム |
| Google Apps Script | 業務効率化/自動化 |
| Haskell | 業務システム |
| Scala | Webアプリ/業務システム |
| Groovy | Webアプリ/業務システム |
| Delphi | パソコンアプリ/スマホアプリ |
| Dart | Webアプリ/スマホアプリ |
| D言語 | 組み込みシステム |
| Perl | Webアプリ |
| COBOL | 業務システム |
| SQL | Webアプリ/人工知能/業務システム |
| FORTRAN | 科学計算 |
| MATLAB | 人工知能/組み込みシステム |
| Scratch | プログラミング教育 |
各言語について解説
各言語の特徴や読み方など、詳しい情報については1つずつ解説していきます。「これからプログラミングの学習をしてみたいけど、何から始めてよいのかわからない」という方は、無料の「プログラミング学習プラン診断」もご活用ください。
C言語
「C言語(シーげんご)」は、45年以上の歴史がありながらも根強い人気のあるプログラミング言語です。C言語のプログラムは、データ領域の限られたハードウェアでも高速動作が可能という特徴があります。その性能の高さから、電子機器の組み込みシステム開発などで特に需要が安定しています。ただしプログラムの実行前に変換処理(コンパイル)が必要だったり、メモリーのアドレス管理やデータ管理がシビアだったりと、習得難易度は高めです。
C++
「C++(シープラスプラス)」は、前述したC言語に「オブジェクト指向」と呼ばれる概念をプラスしたプログラミング言語です。名前が長いので「シープラプラ」「シープラ」などと呼ばれることもあります。オブジェクト指向は、プログラムに登場する要素を「オブジェクト」として扱う概念です。しっかり理解するのは難しい概念ですが、使いこなせばプログラム開発を効率化できます。そのためC++を使っている開発現場は多く、特に業務システム開発やゲーム開発で高い需要があります。
Java
「Java(ジャバ)」は汎用性が高く、トップクラスの求人数を持つプログラミング言語です。Javaのプログラムは「Java Virtual Machine」という仮想環境により、幅広いコンピューターOSで動作します。特に業務システム開発での需要が高く、動作速度も高いため他にも幅広い分野で使われます。Javaの文法はC++とやや似ており、オブジェクト指向の概念も持つ習得難易度の高い言語です。
C#
「C#(シーシャープ)」は、前述のC++やJavaをベースとして作られたプログラミング言語です。Microsoft社が開発した言語なので、Windows上で動作するアプリ開発に良く使われます。同じくMicrosoft社製の「Visual Studio」という優秀な開発環境が使えるので、効率的な開発が可能です。またゲーム開発に使われることも多く、「Unity」という開発環境を用いれば幅広いジャンルのゲームを作れます。
JavaScript
「JavaScript(ジャバスクリプト)」は、Webサイトの動作を制御するプログラミング言語です。JavaScriptのプログラムはユーザーパソコンのブラウザ上(フロントエンド)で動作し、表示に動きを付けたりボタン操作を処理したりします。Webアプリ開発には欠かせない言語なので、安定した需要があります。Webブラウザさえあればプログラムを変更した後すぐに動作確認できるため、プログラミング初心者でも学びやすい言語です。JavaScriptを使うためには、Webサイトの表示内容やデザインを定義する「HTML/CSS」の習得も必要です。それに加えて、個人でWebアプリを開発する場合は後述する「PHP」なども学びましょう。
PHP
「PHP(ピーエイチピー)」は、WebサイトのデータをWebサーバー上で管理するためのプログラミング言語です。PHPのプログラムは、ユーザーから直接見えないWebサーバー上(バックエンド)で動作します。PHPは、Webアプリのバックエンド(サーバーサイド)開発でとても高い需要があります。Web系の開発以外にはあまり使われません。文法は比較的シンプルで、プログラムの実行前に変換処理が不要なため、初心者でも習得しやすい言語です。
Ruby
「Ruby(ルビー)」は、日本人のまつもとゆきひろ氏が開発したプログラミング言語です。Rubyの文法はとてもシンプルで、初心者でもすっきりしたプログラムを書きやすい特徴があります。PHPと同様に、Webアプリのバックエンド開発で使われることの多い言語です。Rubyは汎用性が高く、スマホアプリ開発やスクレイピング(Webデータの収集・分析)に使われることもあります。
TypeScript
「TypeScript(タイプスクリプト)」は、Microsoft社がJavaScriptを改良して作ったプログラミング言語です。比較的新しい言語ですが、JavaScriptと同様にWebアプリのフロントエンド開発で使われることが増えています。JavaScriptとの最大の違いは、プログラムで使う変数(データの入れ物)の扱い方です。JavaScriptだと変数の使用時にデータの種類(文字列や数字など)を指定する必要がなく、プログラム実行時にコンピューターが判断します。一方のTypeScriptでは、変数の使用時にプログラマーがデータの種類を指定する必要があります。記述量は増えるものの、プログラマーの意図通りにプログラムを動かしやすいため、思わぬ誤動作の防止につながるのです。
Python
「Python(パイソン)」は、人工知能(AI)開発で最もポピュラーなプログラミング言語です。初心者でも覚えやすいシンプルな文法で、少ない記述量で無駄のないプログラムが書けます。Pythonは人工知能だけでなく、Webアプリ開発やデータ分析などの幅広い用途に利用可能です。30年ほどの歴史を持つ言語で、国内外で安定した人気があります。
R言語
「R言語(アールげんご)」は、データ分析に特化したプログラミング言語です。一般的なプログラム開発はできませんが、データ分析が欠かせない人工知能開発で使われることが良くあります。ただし文法は他の言語と比べると独特で、数学・統計学の知識なども欠かせないため習得難易度は高めです。R言語を使えるエンジニアは多くないので平均年収は高く、習得できれば収入アップも狙えます。
Go言語
「Go言語(ゴーげんご)」は、Google社によって開発された比較的新しいプログラミング言語です。Go言語の文法はJavaに似ていますが、それよりもシンプルなため初心者でも習得しやすくなっています。Webアプリのバックエンド開発で使われることが多い言語です。まだ求人数は他の言語に比べると多くありませんが、平均年収が高く今後の人気上昇が期待できます。
Swift
「Swift(スウィフト)」は、Apple社が開発した比較的新しいプログラミング言語です。iOSのスマホアプリやmacOSのパソコンアプリなど、Apple社製品向けのプログラムであれば基本的に何でも開発できます。文法はPythonなどの良さを取り入れたシンプルさがあり、初心者でも比較的覚えやすい言語です。汎用性はそれほど高くないものの、Apple社製品の開発では豊富な求人が存在します。
Kotlin
「Kotlin(コトリン)」は、Javaをベースに開発された新しいプログラミング言語です。Javaよりも文法がシンプルで、初心者でも比較的理解しやすくなっています。Kotlinが使われる分野は、おもにAndroidのスマホアプリ開発です。それ以外の分野にはまだ広まっていませんが、互換性のあるJavaからKotlinに移行するケースも増えています。
Objective-C
「Objective-C(オブジェクティブシー)」はC++と同様、C言語をベースに作られたオブジェクト指向型のプログラミング言語です。C++はC言語の仕様自体を上位互換しているのに対し、Objective-Cはオブジェクト指向を補足的に追加している違いがあります。macOSのパソコンアプリやiOSのスマホアプリなど、Apple社製品のアプリ開発で初期から使われてきました。昨今ではSwiftの普及で活躍の機会は減っているものの、根強くObjective-Cを使っている企業もあります。
Visual Basic
「Visual Basic(ヴィジュアルベーシック)」はC#と同様、Microsoft社により作られたプログラミング言語です。Windowsのパソコンアプリ開発で主に使われ、GUI(操作画面)を手軽に作れる魅力があります。Visual Studioではサポートされているものの、C#と比べて使える開発環境は限られるため、C#ほど需要は高くありません。とはいえ、文法はC#よりもシンプルで覚えやすい言語です。
VBScript
「VBScript(ブイビースクリプト)」は、Visual Basicをベースに作られたプログラミング言語です。開発環境を構築せずとも、メモ帳さえあれば使える手軽さが魅力といえます。VBScriptを使うことで、パソコン作業を効率化するプログラムを作成可能です。個人開発には役立つ言語ですが、一般的なチーム開発ではVisual Basicほど使われません。
BASIC
「BASIC(ベーシック)」は、Visual Basicのベースとなっているプログラミング言語です。キーボード操作で動かす「CUI」のプログラムを作成できます。Visual Basicと文法は似ていますが、操作画面を持つGUIのプログラムは作成できません。一般的なプログラム開発で使われる機会は多くありませんが、Visual Basicを学ぶ方は把握しておきましょう。
Google Apps Script
「Google Apps Script(グーグルアップススクリプト)」は、Google社がJavaScriptをベースに開発したプログラミング言語です。JavaScriptはユーザーのパソコン上で動作するのに対し、Google Apps ScriptはGoogleのサーバー上で動作する違いがあります。そのため、「Googleドキュメント」などのGoogleが提供するクラウドサービスと連携できるのが特徴です。一方で、開発環境が限定されるなどのデメリットもあり、JavaScriptほどの求人数はありません。
Haskell
「Haskell(ハスケル)」は、1990年から存在する歴史の長いプログラミング言語です。「関数型」という分類の言語で、数学における関数のようなものを用いてプログラミングします。文法は独特で、学習コストが高くなりやすい言語です。そのため求人数はあまり多くありませんが、業務システム開発で用いられる場合があります。
Scala
「Scala(スカラ)」は、JavaにHaskellのような関数型言語の特徴をプラスしたプログラミング言語です。関数型とオブジェクト指向型の「いいとこどり」をした言語で、注目度が高まっています。Javaと互換性があり、Javaの環境があればScalaのプログラムも動作可能です。そのためJavaと同じく高い汎用性を持ち、Web開発や業務システム開発など幅広く利用できます。
Groovy
「Groovy(グルービー)」はScalaと同様、Javaと互換性のあるプログラミング言語です。文法は前述したRubyに似てシンプルなため、Javaよりも覚えやすいといえます。Groovyの登場は2003年ごろながら、近年になって注目度が急上昇しています。プログラミング言語の人気指標である「TIOBE Index」では、2021年11月現在12位にランクインしているのです。
Delphi
「Delphi(デルファイ)」は、「統合開発環境(IDE)」が一体となったプログラミング言語です。統合開発環境は、前述したVisual Studioのように、開発に必要な機能が一通り備わったソフトウェアを指します。Delphiを用いることで、パソコンやスマートフォンのアプリ開発を視覚的に行えるのが魅力です。ただし、統合開発環境が使えるのはWindowsパソコンに限られます。
Dart
「Dart(ダートまたはダーツ)」は、Googleにより作られた新しいプログラミング言語です。JavaScriptの代替言語として作られているため、初心者でも比較的覚えやすいといえます。Dartは「Flutter」と呼ばれるフレームワーク(開発ツールの1種)を使うことで、その真価を発揮します。iOS・Androidのスマホアプリをともに開発できる上に、Web開発も可能です。
D言語
「D言語(ディーげんご)」はC++と同様に、C言語をベースに作られたプログラミング言語です。C言語の処理性能はキープしつつ、C++のようにオブジェクト指向を用いたプログラムの記述も行えます。ただし、言語としては優れているものの、プログラム開発ではあまり使われません。組み込みシステム開発などでC言語やC++が普及する中で、D言語はタイミングに恵まれませんでした。
Perl
「Perl(パール)」は、30年以上前から存在する歴史のあるプログラミング言語です。主にWeb開発で使われますが、Web開発言語の中でも比較的高速で動作する特徴を持ちます。PHPやRubyなどの台頭により、近年では活躍の場が減っているものの、根強く使っている企業もあります。Perlを使えるエンジニアが多くないこともあり、平均年収が高い言語です。
MATLAB
「MATLAB(マトラボまたはマットラブ)」は、数値解析ソフトウェアが一体となったプログラミング言語です。データ分析を得意としており、人工知能(AI)開発で注目されています。また、プログラムの制御をモデル化して、そこからコードを自動生成できるのも特徴です。プログラミングの労力を削減できるため、組み込みシステム開発などでも使われることが増えています。
Scratch
「Scratch(スクラッチ)」は、子どものプログラミング教育用に作られたプログラミング言語です。一般的な言語のようにコードを記述せず、ブロックを組み合わせてプログラムを作っていく特徴があります。手軽にプログラミングを体験できる魅力から、世界で7,000万人(2021年11月現在)を超えるユーザーが存在します。通常のプログラム開発には使えませんが、「子どもにプログラミングを教えたい」という方におすすめです。
オンラインプログラミング学習サービス10選

オンラインで学べるプログラミング学習サービスです。場所や時間を選ばず、自分のペースでスキルアップできるため、初心者から上級者まで幅広く利用されています。今回は、数ある中から特におすすめの「オンラインプログラミング学習サービス10選」を厳選してご紹介します。
それぞれの特徴をまとめていますので、ぜひ自分に合ったサービス選びの参考にしてください。
Progate

言わずと知れた有名なサイトです。イラストを使用したスライドを豊富に使い、視覚的にわかりやすく手を動かして学ぶことができます。初心者がつまずきやすい環境構築(プログラミングを行うために必要なソフトの設定を行うこと)を行う必要がないので、すぐに学習を始めることができます。
勉強できる言語は多く、HTML、CSS、JavaScript、jQuery、Ruby、Java、Python、Swiftはもちろん共同開発によく使用されるGitの学習もできます。
料金は無料と有料に分かれており、無料コースでは基礎レッスンのみ学習が可能となります。有料コースの料金は1490円/月です。長期的に取り組む方向けにはなりますが、長期間分を一括で支払うことでお得になるプランもあります。 こちらはそれぞれ6ヶ月プランが1290円/月、12ヶ月プランが990円/月となっています。
CODEPREP

コードプレップはまるで学習ドリルのような、穴埋め形式で学ぶプログラミング学習サイトです。初めから全てのコードを書かず、少しずつ段階的に学んで行くことができます。1ドリル10分程度ですので、隙間時間での学習にぴったりです。
学べる言語やフレームワークの中にはBootstrapが含まれています。他の無料サイトでは用意されていないことが多いので、ぜひここで学習しましょう。
また、特徴の一つとしてディスカッションボードと言われる掲示板があり、利用者同士でエラーを解決しあう機能があります。わからない、エラーが解決できない時に強い味方になってくれます。
全ての機能が無料です
ドットインストール

3分の動画でプログラミングを学べる、初心者向けの学習サービスです。
HLML、PHP、CSSなどのプログラミング言語を「入門編」として基礎から学んでいきます。動画にはプログラミングの入力画面が表示され、音声での説明と一緒にプログラムが書かれていきます。忙しくてまとまった時間が取れない社会人でも、スキマ時間を使って簡単にプログラミングを学べるおすすめのサービスです。
paiza

paizaとはエンジニアの就職や転職を支援するプラットフォームです。エンジニアのキャリア形成をサポートとしている同時に、プログラミングの学習を支援しているサイトになります。
一部の講座は有料となっており、月額税込1,490円で学び放題になります。また、長期的に取り組む方向けにはなりますが、長期間分を一括で支払うことでお得になるプランもあります。 こちらはそれぞれ6ヶ月プランが1,200円/月、12ヶ月プランが980円/月となっています。
Codecademy

コードアカデミーは、海外で有名なプログラミング学習サイトです。プログラミングが完全に初心者の人でも、実際に手を動かしながらしっかり理解できるインターフェースを備えています。
転職成功率98% もちろん全ての表記は英語ですが、比較的かんたんな表現ですのでプログラミングの語学力を鍛えることもできます。
またこのサイトは、基礎から応用まで網羅しています。Plusコースは月額14.99$・Proコースは19.99$です。
Schoo

生放送で学べる学習プラットフォームです。一つの講座は1時間程度で、チャットで講師に質問ができる便利な機能付きです。生放送後はアーカイブとして閲覧できますので、復習にもぴったりです。
プログラミング言語は、HTML、CSS、Python、Ruby、SwiftやPhotoshopなど講座の数は数百用意されています。
生放送講義への参加は無料ですが、アーカイブを閲覧するには月額980円が必要となります。年額9,800円のお得なプランもあります。
Udemy

Udemyはアメリカ発祥のオンライン講座のプラットフォームになります。数万種類の講座にはプログラミングをはじめ、WEBデザインに必須のIllustratorやPhotoshopの講座など、種類が非常に豊富です。こちらは基本有料なのですが、無料の講座もあります。
勉強できる言語は、HTML、CSS、JavaScript、Java、Python、Rubyなどほぼ全ての言語が学習できます。
学習スタイルは動画です。動画で解説をみながら、実際に手を動かしてコードを書いていきます。大半は有料で数万円しますが、毎月定期的にセールが開催されており2,600円から購入可能です。定期的にチェックしていきましょう。
.Pro(ドットプロ)

『.Pro』は、受講者の90%が未経験のスクール。
Python及びDjangoを学習し、AI・webアプリケーションに特化した最先端で活躍できる人材を目指すコースが用意されています。Pythonを重点的に教えるプログラミングスクールが少ない中、人工知能や機械学習といった最先端の技術を学べるコースです。
カリキュラムは、現役エンジニアやAI研究者から指導を受けながら実践的に開発するもの。座学がほとんどないのが特徴です。オンライン教材での学習に加え、週に1度10名以下の少人数クラスで対面講義が受けられます。もちろん講義時間以外でも質問対応可能。6ヶ月間、講師に伴走してもらいながら、学習を進めます。成果発表プレゼンの場が定期的に用意され、カリキュラム期間中にポートフォリオを作れるのもポイント。
就職、転職、案件受注のキャリアサポートも用意されているため、カリキュラム修了後すぐに活動できる基礎を固められます。Pythonを学びたい、FBを受けながら実践的に学習したい方にオススメのプログラミングスクールです。
TECH CAMP

転職成功率99%以上という『TECH CAMP』。
上場企業やITベンチャーへの転職以外にも、フリーランスとして活躍する卒業生もいます。スキルを高められる秘訣は、600時間の学習コンテンツ。プログラミングスクール運営のなかで磨かれてきた教材で学べるため、即戦力レベルまで能力を引き上げられます。受講者1人ひとりに専属のライフコーチとキャリアアドバイザーが付きます。最後まで学習サポートが受けられますし、卒業後も無期限でキャリア相談できます。
いつでも頼れる場所ができるのは、メンタルヘルスにも大きな効果があり、健康的なキャリア設計に繋がります。受講前には無料カウンセリングが受けられます。安心してカリキュラムを試せるよう、返金保証も用意されているスクールです。
DMM WEBCAMP

転職を目指すプログラミングスクールのなかでも評価の高い『DMM WEBCAMP』。
転職成功率98%を誇るカリキュラムが完全オンラインで受けられるようになりました。仕事や生活が忙しくまとまった時間が取りにくいかたでも、受講者に合わせて柔軟に学習カリキュラムを組んでくれるため、続けやすいのが特徴です。学習サポートに特化したライフコーチが、徹底的に伴走してくれます。学習計画や学習の進め方について、アドバイスを随時もらえるのは嬉しいですね。卒業後も専用のコミュニティでスキルを磨いていけます。また卒業後1年まで、就職・転職のサポートが受け続けられるため、自分のペースで就職活動を行えます。
無料カウンセリングでは、キャリア設計や転職後の給料などの相談ができます。業界最安値帯の88,000円(税込)で受講できる4週間プランも用意されており、自分の生活スタイルに合わせられるのも嬉しいポイントです。
プログラミングスクールをさがす

数あるプログラミングスクールの中から、あなたにぴったりのスクールを見つけるお手伝いをします。学びたい言語やスキル、通学・オンラインのスタイル、料金やサポート体制など、さまざまな条件から比較して、自分に合ったスクールを選びましょう。
プログラミングスクールをさがす
おすすめのプログラミング書籍

プログラミング学習の第一歩はまず関連書籍を揃えることから!たくさんあって迷ってしまう方も多いと思いますが、大事なパートナーとなるテキストはしっかり選びたいですよね。 カテゴリー別から探せるのであなたに合った書籍を探してみてください。




